【2026年度日本比較文学会関西支部大会 シンポジウム予告】
ラフカディオ・ハーン研究の新潮流
企画・コーディネイト:西成彦
講演:田邊真人(兵庫県立兵庫津港ミュージアム館長)
シンポジウム登壇者:中島淑恵(富山大学)、風早悟史(広島工業大学)、杉浦清文(龍谷大学)
◆趣旨◆
第一書房から『小泉八雲全集』が刊行された昭和初期の第一次ブーム、来日100年が祝われ『小泉八雲事典』(恒文社、2000年)が刊行された第二次ブームに続いて、2025年度後期にはNHK朝の連続テレビ小説にとりあげられ、第三のハーン・ブームが到来し、多くの翻訳書や研究書、入門書が書店に並んだ。
しかし、一家が二年間滞在した神戸に根ざしたハーン研究は、今回も盛り上がりを見せていない。だからこそ、もし第四のブームが到来した際には、比較文学会関西支部が中心となって、神戸時代に帰化手続きを済ませ「小泉八雲」を名乗るようになったハーンの神戸体験(および京都・大阪体験)を、広く社会に向けて発信していきたいと考えている。
ついては、今回はその助走として、長らく神戸及び兵庫県の歴史を研究してこられた田邊真人氏を講師に招いてご講演をいただき、続けて本学会会員の三氏に、それぞれの観点からハーン研究のさらなる展開可能性を語っていただく。中島氏には「ハーンと俳句」、風早氏には「小林正樹監督作『耳無し芳一』の話」、杉浦氏には「ハーンと昆虫」についてお話しいただく方向で準備を進めていただいている。
また、本企画のコーディネーターである西からは、19世紀末から20世紀初頭にかけて西洋で注目を浴びたハーンにはいくつもの顔があり、とくにフランス語圏、ドイツ語圏での受け止め方には英語圏にはないいくつかの特徴があること、そしてハーンとはまさに万華鏡のような文筆家であった点について話をさせていただき、ハーン研究が語圏を越えた研究者の協働なしには実現しないことを訴えたい。
なお、『現代思想』2025年11月臨時増刊号は「総特集:ラフカディオ・ハーン/小泉八雲」と題され、そこには中島氏と西とが文章を寄せている。よろしければ予習用にお読みいただいた上で、シンポジウムに臨んでいただければ幸いである。(西成彦)



